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更なる可能性を感じる『いちのすけのまくら』(著:春風亭一之輔)

一之輔さんがこれまでに出してきた本は、散歩のレポートとか、落語の初心者に向けた解説本みたいな雰囲気の本が多かったので、いままであまり食指が動かなかったのですが、今回は落語に直接関係してきそうな本だったので買ってしまいました。
といっても真正面から落語について論じているわけではなく、落語に絡めた思い出話や考えを、コラムとしてまとめたもの。 
いちのすけのまくら

いちのすけのまくら

 

 

それでも意外と、これまであんまり本としては世に出ていなかった一之輔さんの考え方が文章の端々から感じられて、へーという感じで読み進めることができます。

落語家の中でも精力的に本を書くタイプの人は「本書く派」と言われて久しいわけですが、これまでの読んできた中で、落語家の人が書いた本は、笑えるものがほとんどないと思っていました。

落語家さんの本は評論として優れているものや、楽屋での話を打ち明けたものはが多く、それは楽しくて落語家さんの本を読むことは好きなわけですが、文章でギャグを書いているところはだいたい滑っていることが多いです。

しかもそれは落語の上手い人ほどありがたち

ところが一之輔さんの文章は面白い。落語クラブのところでは電車の中で爆笑しそうになりました。この文章をガラケーのメール機能で書いているのだから凄い。

 

なんせチケットが取れないもので最近全然行けてないのですが、もっと追いかけて行きたいなと思えるようになりました。どこかのインタビューで、「昔は人情噺が苦手だったのだが、最近好きになってきた」と語っていたのを観ましたが、私はまだ笑える話をギラギラさせながらやる一之輔さんの印象が色濃いので、新しい面に出会うのが楽しみです。