最近寄席文字などに興味を持つようになってきて、それと同時に館内にあるものになんか目が付くようになってしまった。
これまで自分が寄席通いの中で見逃してきたものの代表例として高座の後ろにある額がある。思い返してみれば、落語を聴いてる間はずっと視界に入っているはずなのに、意識をしたことが全くなかった。
そこで今回は各寄席の額に何が書いてあるか、自分のための備忘録としてまとめてみた。
鈴本演芸場
あった気がしたのだが、なんと額はなかった 。これだから自分の記憶というのは当てにならない。
末廣亭
公式Twitterで紹介されていた。
「和気満堂」で、中山呑海の書。
お客さんの笑いが場内に満ち溢れて、番組が盛り上がっていくということかな。
末広亭あれこれ 4
— 末広亭 (@suehirotei) June 20, 2019
よく質問されます この高座の上にかかる額の文字。
右から
「和気満堂」
と書かれてます。
中山呑海が書いた文字で、末広亭が建てられた当時あたりから あるそうです!#末広亭あれこれ pic.twitter.com/SPZajw7CPV
書いた中山呑海とは、どんな方なのだろうと検索してみたら、お孫さんの書いたブログを発見。
Wikipediaにもページがなく、このような記録は貴重なので感謝。
私の実の祖父【中山呑海(どんかい)】←【芸名】は、戦前、戦後と、物書きやら映画の脚本書きやら、映画監督やら、舞台の演出家等を手がけていた、所謂【何でも屋】だった(中略)
確か祖父は、京王線の不慮の事故で、走行中の列車のドアが間違って開いたため、線路に投げ出され壮絶な死を遂げた事でも有名だ。
マジか。
浅草演芸ホール
「心酔」
一般用語にもあるとおり 、芸に心から酔いしれると言う意味なのだろう。
こんなことを言ったら怒られそうだが、どうもこの言葉は浅草演芸ホールらしくないと言うか、末廣亭の額と入れ替えた方がしっくりくるような気がした。
誰の書なのかは、どこにも情報がない。落款(でいいのか)は押してあるようなので、今度最前列に座ったときに観察してみたい。
池袋演芸場
額はなし。ここは知ってた。
国立演芸場
「喜色是人生」入江相政の書
ここの書を書かれた入江相政氏は華族の出身で昭和天皇の侍従・侍従長をされた方。さすが国立。
僕は不勉強で知らなかったのだが、1935年から亡くなる1985年までの半世紀、昭和天皇の側にずっと仕えてきて、亡くなったあとに日記なども出版されているようでちょっと興味が出てきた。コロナで暇なので読んでみようかな…
喜色是人生という言葉は、この中では一番好きな言葉かもしれない。
その他
力尽きてきたので…
横浜にぎわい座
「笑門来福」
地元の書家、三代目堀野哲仙の書(ウェブサイトより)
大須演芸場
「千客萬来」
天満天神繁昌亭
「楽」
三代目桂米朝の書
(ちなみに飾ってあるのはレプリカで、本物は行方不明になっていた時期があったそう。)
ありがとうございました。