その全文はハロープロジェクトの公式サイトから見ることができます。
この文章を読んで、「道重の文章はビジネス文書の基本を抑えている!」ということに
気づいてしまったので、居ても立ってもいられなくなってこの記事を書いてしまいました。
すみません。誰にも頼まれてないのに。
さて仕事をしている多くの方は心得ているとは思いますが、
ここで読みやすいビジネス文書の要素をおさらいしてみましょう。
多くの指南本の内容を総括すると、それは
1.全体がコンパクトにまとまっていること
2.結論が明確に示されていること
3.自分の意見、事実の説明、相手への依頼が分離されていること
4.日付や署名を持って自分の文書への責任を示していること
が、読みやすく、伝わる文章の要素としてよく挙げられるところだと思います。
ここで、道重さんのコメントを見てみましょう。
1.全体がコンパクトにまとまっているか?
全体をみると、非常にコンパクトにまとまっていると言えます。ビジネスメールの指南本においても、目安として紹介されているのは、
「画面をスクロールをさせないくらいの長さでなるべく文章が完結するようにする」というものです。
まぁこれは画面の解像度等にもよりますが、私の環境では、上の会社からのコメントを含めても1画面で収まっています。
通常アイドルやアーティストが卒業したり活動休止したりすると、今までの思い出や支えてくれた人たちへの感謝、決断までの葛藤などを書き連ねて長文になる傾向があるので、ここまでコンパクトに示しているのは大変すばらしいことだと思います。
よって、1の条件はクリアです。
2.結論が明確に示されているか?
さて、ここからは内容を見てみましょう。引用しながらいきますよ。私、道重さゆみは、報告するべきことを文の冒頭で、過不足なく述べています。卒業を報告することはこの文章の最重要のテーマですね。2の条件は完璧にクリアです。
今年2014年のモーニング娘。’14の秋ツアーの最終日をもって、モーニング娘。を卒業します。
3.自分の意見、事実の説明、相手への依頼が分離されているか?
さて、続きです。
私は、約二年前にリーダーになった時から「モーニング娘。に恩返しがしたい」と言ってきました。ここまでの文章では、卒業に至った経緯を、自分の立てた目標が達成しつつあるということを理由に説明しています。
そんな中、私の力だけではないですが、シングルで5作連続1位をいただけたり、
いろんな活動を通して、少しずつ、少しずつ、恩返しができたかな、と感じています。
そこで、つんく♂さんや事務所の方と相談して、今年の秋ツアーのタイミングで卒業という事にさせていただきました。
ですが、まだまだ時間はあるし、もっともっと後輩たちに伝えたい事や、そしてここの段落では、まだ自分が卒業までにやるべきことを列挙し、
みせたいと思っている事もあります。
ファンのみなさまとも、たくさんの思い出を作りたいと思っています。
そして、ここからが本当の「恩返し」だと思っています。
超超超いい感じのモーニング娘。に仕上げてから卒業し、
次の世代にバトンタッチしたいと思っています。
秋までよろしくお願い致します。
それに向けた応援をファンに要請してます。
前の文章と合わせて見てみると、
自分の設定した目標が達成しつつあるということとその根拠を示し、卒業の理由を説明しつつ、
その後に、今後のやるべきことととファンへの応援依頼をきっちり分離して記載しています。
これにより、読み手(ファン)は秋までに道重さんを何のために応援すればよいか、段階を踏んで明確に理解することができます。
3の要件をクリアしていると言わざるを得ないでしょう。
4.日付や署名によって自分の文書への責任を示しているか?
これはもうはい、以下のとおりOKです。
肩書も付いているので、リーダーとしての文章だということもわかりますね。2014年4月29日モーニング娘。’14 リーダー
まとめ
ここまでで、道重さんの文章がビジネス文書を書く際の基本を抑えているということがわかりました。ビジネス文章は、読み手に伝えたいこと・やってほしいことを、効率的に、ロジカルに書くことが求められます。
上記の4つの項目はそれを実現するためのチェックポイントなわけですが、これを全てクリアした文章を書くことはなかなか難しいものです。
私自身もこのことをついつい忘れ、何が言いたいのかよくわかない文章を作ってしまうことは社会人ウン年目の今でもよくあります。
まだ若いのに、こんな的確な文書をズバッと書ける道重さんは、世界一可愛いだけでなく、
アイドル一頭がいいのではないのかと思ってしまうのです。
秋の卒業まで、そして卒業してからも、がんばってください。
私からは以上です。