ちょうど今、各寄席での真打ち昇進披露興行の真っ最中ということで、
昇進された方の中でも一番興味のある、久しぶりの女流真打、
川柳つくし師匠(new!)の本を買ってみました。
そして読み終わりました。
本の内容は基本的にふたつにわかれていて、
つくしさんが自身の体験した二つ目時代や前座時代の苦労を語っているパートと、
各先輩師匠へのつくしさんによるインタビューパート
で構成されています。
まずインタビューパートですが、そのメンツがやたら豪華です。
・春風亭昇太
・五明楼玉の輔
・立川志の輔
・三遊亭円丈
・三遊亭白鳥
・柳亭市馬
・柳家喬太郎
・川柳川柳
それぞれがかなり長いページ数でつくしさんを相手に自分の落語家としての生い立ちを
話しています。しかもその多くが会議室や喫茶店などのみっちり話を聞くことのできる空間で、
かなり贅沢。
これは、つくしさんの人徳なのでしょうか。
他であまり聞かない話が多くて単純に面白かったです。
逆に、つくしさんの執筆された自身の体験についてのパートは、面白いは面白かったのですが、
ちょっと物足りなさが残りました。
お話の内容が、一般的な落語家がみんな経験する(であろう)タイプの体験談だったからです。
川柳つくしといえば、寄席で持ちネタがほぼひとつの川柳川柳師匠の唯一の弟子という最大の特徴があります。
これは落語家としてはなかなかのハードモードじゃないかと思いますが、この『川柳の弟子』ならではの体験談をもっと読みたかったなーと思います。
本の中では、川柳師匠とのインタビュー中にあった、「お前は女の落語家でいちばん正しいことをしている」というセリフが個人的には好きです。
川柳師匠がつくしさんのことを語るときのセリフには、どの場面でも必ず深い愛を感じるのです。
これも、つくしさんの人徳でしょうか。
(ぼくは、最近ガーコンを複数回聴いているせいで、軍歌に体がノるようになってしまった模様です。)